■速聴・速聴機と速読法■

脳力開発の方法でよく知られているものに、速読法があります。文字どおり、文章を速く読んで理解する訓練法です。普通の日本人が読むことのできる文字数は一分間に約600字前後。対して、速読法をマスターした人の中には、一分間で一万字とか二万字くらいの文章を読解できる人もいると言われます。ただし、一般的な速読法のマスターでは「一万字を読むのは不可能である」と、教育学博士で筑波大学の佐藤泰正教授は、眼球運動理論から断言しています。しかし、マスターすれば、短時間に多くの情報を頭脳にインプットできるという点は、速聴と似ているかもしれません。

速読の訓練をすると、大脳はそれに応じて通常の3倍程度まで速読ができるようになります(一分間に約1800字)。これは、脳が新しく与えられた環境に順応し、速読力という名の潜在脳力が開発されたということです。それ以上の速読となると、大脳の処理方法が「パターン認識」という処理に変わり、写真同様、脳内に文章全体を写し込むようになります。これでは文章の内容を理解するまでに至りません。マスターするにも程度問題があるのです。

速読法の最大のネックは、マスターするまでのプロセスがかなり単調であり、面白みに欠けること。苦痛を伴った努力が必要になり、よほどのモチベーションがなければマスターできないのです。実は、速読と速聴との大きな違いはここにあるのです。

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